



汚れた副鼻腔の粘膜を徹底的に除去しました。
そのため、上唇の裏を切って、上顎の骨をけずる必要がありました。
術後、頬のしびれや痛み、腫れが生じ、出血も少なくありませんでした。
また、術後、数年から数十年たって、頬にうみの袋ができる術後性頬部嚢腫が発生する可能性がありました。
むかし、蓄膿の手術でたいへんつらい思いをし、2度と同じ手術は受けたくないと感じた患者さんは少なくありません。
自然孔の周囲は、薄い骨がいくつか集まった複雑な構造をしています。
薄い骨を介して目や脳に接しているため、これらを傷つけることなく安全に操作するため、内視鏡を用います。
従来からも、鼻内手術がおこなわれていましたが、狭く暗いトンネルを掘るような不確実なものでした。
内視鏡を用いることで、視野が広く明るくなり、手術がより安全に施行できるようになりました。
ESSの利点は
・上唇の裏を切らないため、術後、頬の腫れやしびれが生じない
・最小限の粘膜しか切除しないため、出血や痛みが少ない、
・鼻根本手術後に発症する、術後性頬部嚢腫が発生する危険が非常に少ない
・軽傷の副鼻腔炎の場合は、外来手術も可能
・モニターに手術操作画面をうつすため、患者さんへの手術説明や医師、看護婦の研修に役立つ
ESSの欠点は
・内視鏡とモニター、専用手術器具の追加が必要、
当院では、耳鼻科専用の内視鏡装置を用いることはまれであり、他科と共有使用しています。
外科、産婦人科、泌尿器科、整形外科と、現在、日常的に内視鏡手術をおこなう科は、いろいろあります。
すでにある手術室の設備を共有することで、内視鏡手術開始の費用を節約する事ができます。
自然孔周囲の操作に用いる特別な手術器具の追加は、わずかです。
・内視鏡手術に対する慣れが必要
副鼻腔手術の経験が豊富な術者の指導のもとで、手術がおこなわれることが必要です。
また、いざという時、従来の手術方法に切り替えることができる準備が必要です。