耳がわるいめまいってなに?平成15年9月15日更新

このコンテンツは
 めまいの専門医(日本めまい平衡医学会の認定医)ではないおかげで、
 ある意味、しがらみにとらわれず、自分なりにめまいを説明しております。
    
あくまでも一般の方々に、わかりやすいようにと心がけておりますので、
       突拍子もないたとえ話や大胆な推論が出てまいります。
       専門医の方は、こんな意見を出すやつもいるのか、とお笑いください。。


メニエル病の患者さんが集まるページをリンクしました。
メニエルさんたちのおしゃべりパーテイー
患者さんの立場で役立つ情報がいっぱいあります。

自分でもちょっと言葉が大胆すぎるなと思うところがあります。

付 : 良性発作性頭位性めまい、内耳炎によるめまい、
    およびvestibular asymmetoryなどは、以下の話から外れます。

-  目次 -

     はじめに

     めまいがむつかしい理由

     めまいってどうして起きるの?

     三半規管とくるまのタイヤ

     どうして目が回るの?

     三半規管の調子が悪くなるとき

     ストレスと低音の難聴

     メニエール病って何?

     内リンパ水腫って何?

     メニエール病の予防は?

     メニエール病の治療は?

     精神安定剤の上手な使い方



はじめに・・
めまいの専門医が、患者さんに説明するときによく使うことばが、
   「耳がわるいからめまいがするんですよ。」 です。

みみがわるいと説明された患者さんは、
   「耳がわるいと、どうしてめまいがするのか、よくわからないけれど、
           ま、とにかく頭が悪いんじゃないようだし、いいか。」

   と、なんとなくだまされたような
         納得できない気持ちをどこかに持ちながら、
   これ以上聞くのは、相手(医師)に対して失礼だからと遠慮して、
         あきらめる場合が少なくないと思います。

かくいう私も、
   学生実習で耳鼻科を回っていても、
    耳鼻科医になって、
      めまいの専門医の上司が、
         患者さんに対しておこなう説明を何回きいても、
  ちんぷんかんぷんで、何がなんだかさっぱりわからない

                      という状況が長年続きました。


自分なりにめまいに関して勉強し、
  実際の患者さんを何人もみているうちに
     やっと患者さんにわかりやすく説明できる
        と自信をもつようになったのは、ここ数年です。

以下、日頃、患者さんに説明しているお話をいたします。




めまいがとっつきにくい、よくわからない理由は、
    カタカナ、英語を使った専門用語の多用による難解さ、
    いくつもの検査の乱立による理解のしにくさ、
    さらには、専門用語を駆使することが
          めまいの専門医の証(あかし)と考えている一部の専門家

    にあると思われます。


平衡神経学の専門医にとって
   耳がわるいことによるめまい、
       いわゆる耳性めまいというのは、

 めまい専門医としての耳鼻科医の立場を示す
   ひとまず安心のスペードのエースのような
     ある意味、逃げ口上になっているような気がする
のは

   私だけでしょうか?・・・・・・・


 
 めまいは、からだのアンバランスで生じます。
  アンバランスを生じると、眼をつむってまっすぐ立てなくなります

 めまいの症状をたとえれば、
    遊園地のコーヒーカップにのったあと横に倒れそうになる感じ、
    絶叫系の乗り物にのったあとに、足がふらつく感じ、
    トランポリンや空気風船のうえにのってふらつく感じ、

  すべてがめまいの状態です。

 眼をつむってもまっすぐ立てるのは、
   内耳にある三半規管が、つねにあたまの動きを感じているからです。
   三半規管は、ナビのジャイロのようなものと思って下さい。
    

 ジェットコースターや遊園地の絶叫系の乗り物は、
    落下、振り回し、回転といった方法で、三半規管を強く刺激し、
         非日常的なめまい感を感じさせるような仕組みになっています。

 何の刺激もないのに、
     無重力空間に浮かんでいるような感覚(フワフワ、ユラユラ)、
     異常な回転感覚(グルグル)を感じるのが
                  めまいの典型的な症状
です。


 付: 内耳のバランスセンサーは、実際には前庭とよばれ、
        回転を感じる三半規管と
       重力加速度を感じる耳石器があります。
     細かく説明すると難しくなってしまい、
     三半規管という言葉が、一般的によく知られているため
     簡単に、両者をまとめて三半規管と説明しています。




 私は、患者さんにめまいの説明をするとき、
     三半規管をくるまのタイヤにたとえてお話しています。

   右のタイヤのパンクして空気がぬけると、クルマは右にかたむき、
   左のタイヤがパンクして空気がぬけると、左にかたむくというのは、

         実感していただけると思います。


 同じように、
    右の三半規管がやられると、からだは右へかたむき、
    左の三半規管がやられると、からだは左へかたむきます。


    三半規管のダメージがひどいほど、
    タイヤの空気のぬけた状態となります。
   
  
  突然、片側のタイヤが完全にパンクすると前庭神経炎とよばれます。



  からだがかたむくとき、目の玉の位置もずれます。
  目の玉が端までずれると、 脳は、いそいで目の玉をもとへもどそうとします
           >>>>  ストップ!!
         <ーーーーもとにもどりなさい (脳の指令)


            ずれて>>>> 
             <ーーーー脳がもどして
           ずれて>>>>
          <ーーーーもどして
           ずれて>>>>
          <−−−−もどして
                ・
                ・
                ・

     >>>>                
  目の玉がずれるとき、まわりの景色は反対側にうごいて見えます。 
                        <<<< 
    そうです、これが、目がまわるという 状態です。

  つまり、目がまわるときは、どちらかの耳がパンクして
        左右の三半規管にアンバランスが生じた状態
なのです。

  このとき、眼振(がんしん)と呼ばれる
             眼の動きがみられます。

   もっとも激しい眼振がみられるのが
         完全パンクの前庭神経炎です。

 付: 話がややっこしくなるのですが、
    実際には、片側の空気圧が高くなりすぎるアンバランスもみられます。


     
三半規管の調子が悪くなるとき

三半規管の調子がわるくなる(パンクする)原因はいろいろあります。

 私が臨床経験で感じているのは、
   ほとんどがストレスにともなう内耳血流の低下です。

  ストレスがからだに加わると、アドレナリンがでて
   細い血管が細くなり、血の流れが悪くなります。


内耳は、小指の頭のように小さい部分なので
    内耳をやしなう血管はとても細く、
         ストレスの影響を受けやすい
のです。

三半規管に血がまわらないと、
       酸素不足で調子が悪くなる
のだと思われます。


ストレスと低音の難聴

内耳には、三半規管とともに
      音を感じる部分(蝸牛:かぎゅう)があります。

蝸牛の血管は一本しかなく、
  血管の先の部分が低い音を感じる部分をやしなっています。

そのため
   ストレスで蝸牛の血の流れがわるくなると、
                低い音ほど聞こえなります。

外来で低い音の難聴がある患者さんには
        「ストレス性ですよ。」と説明しています。

  ストレス性といわれた、患者さんは
        みなさん、「そうか、やっぱり。」と納得されます。

ストレスの原因は
    男性は、職場(の人間関係)
    女性は、家庭内(の人間関係)
                が多いようです。


低い音の難聴は、良くなったりわるくなったり変動するので、
  低音障害型の変動性感音難聴とむつかしい名前で呼ばれますが、

  あとで説明してある、メニエール病の初期の状態と思っています。


ちょっと専門的なはなしになりますが、
  狭心症の患者さんは、
       狭心症の発作時に心電図のT波が低下するのが有名ですが、
       ストレスがかかったときに、低い音の聴力が低下するのも、これ似ている
    と思っています。

 ただし、これは、あくまでも私の経験にもとづく独断的推測です。
 
 専門医の方は、
    こんなくだらんことを言ってけしからん!!
            と目くじらをたてないでください。



たわごとのついでに・・・・・・
   聞こえの悪くなる耳は、最初は左側に多い傾向があります。
 
この理由は不明ですが、
  1.クルマでも、からだでも、良く使う部品ほど消耗しやすい 
  2.日本人は右利きが多く、右利きのひとは左耳が利き耳、
よって
  3.利き耳である左耳から消耗して悪くなりやすいのかも!
         
      という大胆な推論をしています(自信ありません ^-^;)。

将来、どなたか検証してくださるかも、、、、、


メニエール病って何?

内耳に由来するめまいの病気として有名なのが
   フランスのメニエールが
        名前をつけたメニエール病です。

実は、何を隠そう
      私もメニエール病患者の仲間です (o^_^o)。
    メニエール病の仲間は、たーくさんいます。

メニエール病の典型的な症状は、
   難聴のくりかえし
   
(最初は低い音が時々きこえなくなり、進行すると高い音もきこえなくなる)
   難聴にともなってめまいをくりかえす
     です。


耳鼻科以外のドクターには、
  めまいの患者さんをすべてメニエール病と診断してしまう極端な方がいらっしゃるため、
この反動で、
     めまいの専門医は異常なほど診断基準にこだわります。

  世の中、ほどほどがよろしいかと思います。、、、、。

内リンパ水腫って何?

内耳は、内部に水(内リンパ液)をためた水風船のような構造をしています。

メニエール病の患者さんの内耳は、
    水風船がパンパンにはった状態がみとめられるので、
                  内リンパ水腫と呼ばれています


そのため、
  メニエール病は内リンパ水腫によっておこるとされています。
           

しかし、メニエール病の患者さんにとっては、
   自分に内リンパ水腫があろうが、なかろうが関係ありません!!。

 どうしてめまいが起きるのか
    どうしたらめまいが起きないで楽に過ごせるか
                 ということが知りたいのです。

内リンパ水腫がどうしておきるか、まだわかっていませんが、
       ストレスが関与しているのは、あきらかです。

私は、自分の経験から
   二日酔いで体調がわるいときに顔がむくむのとおなじものだろう
                          と感じています。
 
 単純に言えば
   ストレスがかかったときに
      血の流れがわるくなって、耳がむくむのでしょう!!!。

           ↑
   個人的な大胆な推論!!

  きっと、これにはめまいの専門医から
             激しい反論をいただくと思います。
  
  でも、原因不明の現状では、何をいっても間違いとは言い切れません。
 

専門医の方々には、
  できれば、内リンパ水腫ということで満足せず、
     患者さんのために、もっとわかりやすく説明できるように
                 研究を進めていただきたいと思います。


メニエール病の予防は

メニエール病は、ストレスによる血流不全が
  内耳のむくみをきたして、めまい、難聴をおこすと思われます。

ストレスは、頭痛、肩こり、胃腸の不調、腰痛、体のだるさもおこします。

メニエール病の患者さんに限らず
      めまいを感じるかたのタイプは共通しており、
              まわりに気配りするA型タイプです。

メニエール病は、ストレスに弱いことによる体質です。
  この体質は、くすりや手術でなおるものではありません
     なおそうとこだわっては、いけません
 なおそうとすると、ストレスが増えて、さらに症状が悪くなります。
 
メニエール病の予防治療は、
  自分の体質の自覚と日常生活の心がけが大切です。


メニエール病の方に、いつも説明しているのは、以下の通りです。

 1.ストレスが原因であることを知ること
 
 2.自分がストレスに弱いからだであることを自覚すること
     
 
3.症状が出ないように、無理のない日常生活をこころがけること
   
 4.職場で責任のかかる仕事をかかえている場合は、
       メニエール病だということをまわりの人にアピールして
                          適度に手抜きをすること。
  (責任感が強く、たくさんの仕事をかかえている方が多い)


 5.家庭のストレスが強い場合は、
       我慢せず、時には爆発するガス抜きも必要なこと


 
メニエール病の治療は

めまいの専門医は、
   メニエール病が内リンパ水腫であるということから、
   イソバイドという水ぐすり(利尿剤)を特効薬として使います。

確かに効果があるようなのですが、
 残念ながら
   へたな人工甘味料のような味がして、 
     まずくてとても飲む気になれないのです。

薬剤メーカーは、飲みやすいように
   剤形を改良することを試みているようですが、
      今のところは、難しいようです。
 
イソバイド以外の利尿剤(ラシックスなど)は代用にならないようです。


メニエール病と診断すれば、
  初期の患者さんにも
    あふれるようにイソバイドを処方するドクターがいらっしゃるようです

  一度、自分でイソバイドを飲んでみて
    これを毎日飲むことがどんなに大変か
       患者の苦労を知っていただいたうえで
            処方していただきたいと思います。
 

 私は、自分で飲めないくすりは、
       できるだけ処方したくありません



ただし、他の治療では、
  難聴、めまいをうまくコントロールできない
     重症のメニエール病の患者さんには、
        仕方なく、お願いして服用していただいています。


イソバイドは、効く方には確かに効きます。
         ただし、飲みにくいのが欠点です。

長く服用していらっしゃる方は、
   飲みやすくする工夫をいろいろしておられます。


飲み方の工夫としては、
    冷やして飲む
      ジュース(オレンジ、りんご)などで希釈する。
        (5倍まではOKのようです)
    
   などがおすすめのようです。




精神安定剤の上手な使い方

私がメニエール病の患者さんに処方する薬で
  もっとも有効と感じているのが、
    精神安定剤(ワイパックス、ソラナックス、リーゼなど)です。


ストレスが原因で心身ともに疲れきっている訳ですから、
        心とからだを休ませてあげようという考えです。
 
   ぬるい温泉につかって、
        ほっとからだが休まるのとおなじです。


副作用は、眠気ですが、意外と少ないようです。

  寝る前に飲んでいただくだけでも、
     よく眠れて疲れがとれ、楽になると
              患者さんより喜ばれています

常習性を心配される患者さんがありますが、
              ほとんどの場合、大丈夫です。

定期的に飲んでいただくのではなく、
  精神安定剤だということを認識していただき、
    ストレス症状の出るときだけ頓用していただいています。

   

  一番大切なのは、
   自分の心とからだをいたわって、
      ストレスをためない生活をすることです。

以上、
  日頃、感じていることを、
      大胆に書かせていただきました。


これをご覧になっためまい患者さんに、
   
    「なるほどそうだったのかあ。」
 
        と喜んでいただければうれしく思います。


 
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